見事に咲いた
花ではなく、木の話だ。それぞれの樹齢と個々の葉を持つ木々は皆、緑色に輝き微笑みかける。緑に緑が集まり、そこへまた他の緑が続き太陽の下、輝く。その姿はまるで、咲き誇る一輪の花のようだ。その下、あずき色の砂利道が続き、その道を歩いてみる。
小さな宇宙、 あるいは
ハルラ山の東、オルムに隣接し、優しい森が存在する。「神聖な場所」という名のサリョニの森。そのためだろうか、サリョニの森に足を踏み入れると、時空間を超越しどこか別の世界へ来ているような感じがする。静かに澄み切った世界、生い茂る木々の間に立つと、木の懐に抱きしめられているようだ。天に向かって高く伸びた木の枝と枝を満たす豊かな葉が、両目いっぱいに広がる。静かな森の音が聞こえ凛と澄んだ空気が全身を包む。ここにまるで小さな宇宙が存在しているようだ。
森の道を歩くということ
サリョニの森の道はピジャリム道の入り口からムルチャッオルムを過ぎサリョニオルムまで続く。ムルチャッオルムからサリョニオルムに至る道は立ち入り禁止区域であるため、ムルチャッオルムを過ぎプルグンオルムへ通り抜けたり、セワッネ森道を軽く歩いても良い。
森の道は山に比べ緩やかで歩きやすい。平坦に続く道を散歩するように歩いてみる。山のように力を出して登らずとも良いからなのか、幼い子供も、年配の人々も多く見える。手を繋ぎ並んで歩く恋人たち、父親に肩車された子供、遠足に来た学生達と話に花を咲かせる家族まで。皆の心に森の空気がいっぱいに満ちていく。柔らかな土を気持ちよく踏みしめる。「散歩とは、決められた目的無く囚われる物なく、足が進むままに行くこと」という歌のように、森の道を歩くということは、ただ歩いても楽しいものである。