休む暇もなく、波が押し寄せる。波は黒い岩にぶつかり真っ白な泡を吹き出し再び砕ける。
青い海に薄い色合いが加わる。その水色は休むことなく変わり、目が離せない。波が行っては返り、そしてまた、来ては去っていく。その動きに応じて涙は砕けて集まり飛び上がり消える。その姿は、イグアスの滝の水流のように、涼しげな清涼感を贈る。ぱちんぱちん-うわぁ-波の遊戯に人々は歓声を上げる。しかし、これは波にとっては平凡な日常。我々も知らない長い間、もしかしたら世界が始まったその瞬間から波はそのように岩を削っていた。
波はファンウジ海岸に小さな淵を作った。そして、その淵に海水が溜まった。岩と海が作った天然プール。渓谷のように清らかで綺麗な水はもちろん波のおかげだ。深い青でありながら淡い緑がかった神秘的な水色は、人々をここに集める。青く澄んだ水にぷかぷかと浮かび泳いだり、顔を水につけシュノーケリングを楽しんだりもする。釣りに立ち寄ったり、火山岩の断崖に座り、とめどなく海を眺めたりもする。人々が行き来し、朝になり夜が過ぎていく。そのように長い時間波はそこに存在した。風と地震、月と太陽はその仕事を手伝ってくれた。ぱちんぱちん-波の上を水煙が覆った。