海岸に行きシャッターを押していたら、あるお年寄りが話しかけてくる。 「ここへしょっちゅう来られるんですか?そこのイルカも撮ったらいいよ。どうやって知ったのか、天気の変わり目になると現れてくるのさ。多い時は二十匹以上も現れることもあるよ。」お年寄りが指した方向に視線を向けると、本当に数匹のイルカが紺青の海を境界にして、姿を消したり表わしたりした。
龍が海の中に入る姿に似ていることから名付けられた名前、「龍頭海岸」。済州のグランドキャニオンと呼ばれる龍頭海岸は、太古の神秘を思う存分満喫することができる場所である。いつからだろう?このすべてが始まったことは。見当することさえ難しい。幾重にも積もった砂岩層は、不均一に積もったように見えるが、自分なりの方法を持っているはず。いずれにせよ、このすべてが人工的でないところがいい。正確に、十年ぶりに再び訪れたこの場所。その時の私と、今の私は、これほど変わったのに、ここは本当に相変わらずだ。その間、どれだけ様々な事情が訪れたのか。それぞれの事情をそのまま聞き入れて、大事に留めてくれる龍頭海岸。だから、私は「チェジュ(済州)モモ」と呼ぶ。