太陽が眠るために訪れるところ。夕闇が迫る頃になると、間違いなく夜は梨湖テウ海岸を訪れる。一日中世界を明らかに照らして疲れた太陽は、たちまち深い眠りに陥る。そんな太陽の熟睡を妨害する気は少しもない人々は、ただ眺めるだけ。
松の森を向き合った海岸は、本当にひっそりと静まっている。アカシアの森がうっそうと生い茂った海岸の入口を過ぎると、ちょうど眠りにつく太陽を抱く海が見えた。おとなしく一日の終わりを準備していたその海。どういうことなのか、梨湖テウ海岸での時間はゆっくりと流れていく。そこには一人でヨットに乗る人もいて、ハンドストーブを握りしめて夕方から散歩に出掛けてきた人もいる。彼らにはさり気ない一日の終わり。何となく、彼らの平凡な日常に妬ましくなる。なぜだろう?