行くたびに天気が悪いと愚痴をこぼすには、済州は曇った日が一年の半分だという。その日もそうだった。視界がぼやけて先がよく見えなくなるほどの濃い霧から止むかと思ったが、再び強く降り始める雨、車の中に置いてきたジャケットが切実にほしくなるほど冷たい風まで。しかし、いざと入った石文化公園は想像していた以上のものを見せてくれた。
濃い霧のせいで視界が悪くてすっと立っているトルハルバンの大きさも判断できなかった。しかし、悪い視界に比べ、空気はこの上ないほど澄んで爽やかだった。明け方に吸うことができるような、そんな空気。だが、ある瞬間に霧は晴れた。本当に瞬く間の出来事だった。曇った雲が姿を消したら、まもなく広大な大地が目の前に広がった。妙で幻想的な経験だった。日常の中でも時々思いだすほど。